ヘルヘ

地上五階まで
潜り込んでいく
深く 深く 深く
より一層深く 昇つていく





ソコで出迎えて呉れたのは
肩に刺青の女であつた
肩に鸚鵡の刺青の女であつた
室内が仄暗かつたのもあり
その佇まいを
壁に掛かつている絵だと
見間違えてしまつた

水平運動を速めレば速める程
肩の鸚鵡は羽搏きを劇しくし
劇しく 劇しく 羽搏くと
その肩から
飛び立つていつた

足許には
筑豊訛りのある貧相な女が
横坐りして居た

投稿者

山口県

コメント

  1. 5階を表す四角の記号が面白いですね。エレベーターの階を表しているようにも見えて音まで聞こえてきそうです。地上5階なのに深く潜るというのも謎めいています。そこで出会った刺青の女。飛んでいく刺青の鸚鵡こそが主人であり女はその乗り物に過ぎなかったかのような結末もSFのようで良いですね。

  2. ヘルヘのタイトルがHELLへなのか何なのか想像しながらも、顔文字みたいに見えました。そうかそれは水平運動だったのか。

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