雑学

廊下。背中にも
季節があると知った
椅子の無い陽射しが
窓から海へと降り注ぎ
穏やかな陰影の様を作ると
雑学を語り終えたかのように
わたしは鉛筆を一本
また一本と折っていった
水槽を売り歩く
それだけを生業とする人に
お会いする機会があった
口癖だろうか
生き残りだからさ
と何度か言った

投稿者

コメント

  1. 詩を紡ぐ人の数だけ色んな角度の季節の描きかたがあるのだなーと。微かに漂う奇妙感がいいですよねー《僕はかなり極端な表現にはしってしまうので》

  2. 雑学 か
    タイトルと作品内容の噛み合い方に齟齬ができるような感覚もあり絶妙に良いですね。
    秋といったら、食欲の秋、恋愛の秋、勉強の秋とか、いろいろの秋があるわけですが、
    この作品では、「無念無想の秋のなかで沈思黙考の秋をおもう」感じで、わびしき

  3. @三明十種
    三明十種さん、コメントありがとうございます。奇妙感、そうですね、言葉でものを考えているからなんとなく理性とかそんなものがある気がしますが、言葉で表せない奇妙なものが心の中にはありますよね。言葉で考えている、そんな考え自体が勘違いかもしれません。

  4. @足立らどみ
    足立らどみさん、コメントありがとうございます。
    いよいよ秋っぽくなって、秋をすっ飛ばしてこのまま冬に突入してしまいそう。
    心の水面を平らかにして、さわさわっとしたところを詩に書くのかな。

  5. @たけだたもつ さん
    ですよね。私もそう思います。最近は秋の期間が短かすぎるので
    その内たくさんのいろんな秋も無くなると24節季も何処へやらで
    夏と冬の2季2季2季2季2季の歌詞の両極端しか書かなくなるのかな

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