碧の欠片

白いテーブルに散らばった、
古い痛みと哀しみが
碧色のガラスの欠片とともにある
陽の当たる部屋から外を覗く

破れた写真をページに挿んで
永く閉じている本の背表紙に触れる
想い出は、夢のように淡く
記憶にある傷もまた曖昧だった

掌に瓶の残骸を押し当てる、
突き刺さる碧の欠片が呼び覚ます
あの夏の日と、海の見える庭

ながい髪を濡らして、
浮き輪を抱いたまま握ったコーラ
その瓶を、ボクは奪い取った

投稿者

大阪府

コメント

  1. 碧の欠片 そして、新たな傷? それが うずくようで切ないです。でも、その切なさは、詩の切なさ。すてき。

  2. こしごえさん、コメントをありがとうございます。たくさんの割れたあやまちが、まだテーブルにあります。ときどき思い出しては、その欠片の美しさに痛みを感じます。

  3. 美しくてかなしい欠片たちでした。響きます。

  4. とても大事なものが瓶の中にはあったのかも知れません。泣かせたことや、割ってしまった瓶のこと等を想うと、あの夏の日が美しく甦ります、、

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