後日談

あなたが転んだ
わたしは転ばなかった
並んで歩いていて
あなただけが転んだ
大きな怪我もなく
桜の花びらが落ちた

どうでもよいことばかり
ふと思い出す時がある
大切なことは
失われていくばかりなのに

静かな宇宙の片隅
後日談もないくらいに
あたり一面
綺麗な春だった

投稿者

コメント

  1. どうでもいいと、なんでもないと思っていても
    実はそれがとても大切だったのかも
    と、ずっと後になって気づくこともあったりします

    私も、同級生のほとんど顔も思い出せませんが
    ひとりだけ、その人のことだけは
    折に触れ、ふとした時に思い出したりすることがあります
    保育園の頃から一緒で
    その人だけがずっと変わらなくて
    だから私も、変わらず接することが出来た
    唯一の、幼なじみだったからなのかも
    。。。と最近になって気づいたんですが(汗)

  2. この季節に春を思い出していることに内に循環する花吹雪のような意味があるんだろな、と。

  3. やらなければならないことを除いたら、私達の一生は「どうでもよいこと」で出来ているのかもしれません。そして、記憶は歳を重ねるにつれて「一番どうでもよいこと」に集約されるのでしょう。静かで美しい詩でした。

  4. @雨音陽炎
    雨音陽炎さん、コメントありがとうございます。不思議なことに、好きだった女の子の顔は思い出せないのに、ほんの少ししか話をしたことがない同級生の顔を鮮明に覚えていたりします。幼なじみとのエピソード、素敵だな。その人だけ変わらないから自分も変わらず接することができた、なんて胸がジーンとしてしまう。ありがとうございました。

  5. @たちばなまこと
    たちばなまことさん、コメントありがとうございます。
    胸に循環する花吹雪か。
    何か、時々生きてて良かったな、と思うことがあります。花吹雪、まだ胸の中で循環してるのかもしれないな、、、

  6. @nonya
    nonyaさん、コメントありがとうございます。もしかしたら、良いこと、悪いこと、それ以外の何気ないこと。本当は質も量もすべて同じで単なる順位づけなのかもしれませんね。良いことや悪いことはいずれ心の中で消費されて、すり減って。何気ないことが顔を出してきて。ありがとうございました。

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