川辺の花

川辺の花

川辺にひっそり佇む花。

水面の煌きを見つめ

花弁に触れる

蝶と戯れ

魚影の水音を聴き

疫病も五輪からも

遠く離れた世界で

今生の開花に

只々、悦びながら

真夏の風に揺れている。

投稿者

埼玉県

コメント

  1. 今年の夏は、さまざまな事がありましたね。不本意なことも、やるせないことも。でも、信じたい社会もあるのだなあ、と、この詩を読んで、想いました。

  2. 長谷川さん、ありがとうございます。混迷する現代の中でも、そこから離れた別世界の営みが、ひっそり息づいていると思って書いてみました。

  3. 「疫病も五輪からも/遠く離れた世界で」という、物理的にはすぐそこにある同じ世界で、営みは遠く離れた世界のようなイメージに思いを馳せられているところにとても共感しました。花を見ても時期で入れ替わっていく蝉の声を聞いても同じことを思います。

  4. あぶくもさん。共感ありがとうございます。同じ世界に共存していても、自然の営みは別次元で己の生を全うしようとする。その健気さを感じました。

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