夜鍋・ファッションセンター

「夜鍋」

夜鍋して 宇宙船を作って
乗りこむ前に お茶漬け食って
母や父に一筆したためて
祖母の仏壇に線香をおったてて
気前よく二度ちーんと鳴らして
黄ばんだ写真に手を合わせて
祈願した 目的の達成を

「ファッションセンター」

野良の飛行船にのってファッションセンターへむかう
そこではあたたかい毛布や肌着が安価で売っている
と、うちのひい祖父さんが
そのまたひい祖父さんから聞いたという
そんなの迷信だ、と他人は冷笑するが
迷うことなく信じている、なぜならわたしは
あったかい恰好をして新年早々初詣に行きたいのだ

投稿者

茨城県

コメント

  1. 「野良の飛行船」という表現、素敵ですね。

  2. @あまね
    ありがとうございます。野良の飛行船は、若い人を中心に人気があるようです。

  3. 仏さんたち(幽霊とか霊魂)を大事にしている感じを、この詩から感じます。すてきなことだと思います。

    この詩の語り口が、詩の次元を持って、詩の風光をつくり出していると感じました。すごいです。^^

  4. @こしごえ
    ありがとうございます。きっと「他人様より仏様」という言葉が、便所のカレンダーに書いてあったのだとおもいます。

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