残滓は歌う

なにもかも
薄まった青に吸い込まれていく
梢の列に残骸が引っかかっている
死に絶えていく季節の挽歌を
くすんだ北風が歌っている

両耳の奥に架空の器官があって
かなしみばかり受信している
ときどき歌の残滓がまざる
生きたい、生きたい、って

季節の牢獄で
歌がどれくらいの意味をもつだろうか
どこにも行き場がないのに

死にかけの蛾がいっぴき
羽根をふるわせている
まだ生きたいかい
生きたいよね
でもとっくにあきらめている

空の青はますます薄まり
もうすぐ雪がやってくるね
いちめんの白は
失われたものたちの墓標として
刻んでおこうと思う
忘れないように
架空の器官が
いつか
かなしみ以外を受信できるように

投稿者

東京都

コメント

  1. 僕ら(勝手に僕らで括ってごめんね)は、”かなしみ”とか”生きる”とか”季節”とかその他たーくさんの掴み取れないものを受信しよう受信したいなーなんて思いながら生きてるよねー東京は寒いでしょうねー

  2. @三明十種 さん
    コメントありがとうございます。
    東京寒いです。冬眠したいです。
    そうですね、受信したいしたいって思うのがぼくら詩人なのかも。括っていただけて嬉しいです。

  3. この詩を拝読して、絶望と希望を思いました。

    極個人的なことを言えば。
    私は、死ねるんです(死ぬことが可能なんです)よね。どんなことになっていようとも、どの道、死ねる。ここに私は、絶対的な希望を感じているんです。
    禅僧の南直哉(みなみ じきさい)さんは、脳科学者の茂木健一郎さんとの対談共著『人は死ぬから生きられる』(新潮新書)で言ってます、「人は死ぬから生きられる」と。ある意味、この言葉に、救われます。

    あまねさんの詩は、ある種の緊張感もありますが、それ以上に、優しさを持っていますよね。そこがすてきで好きです。^^

  4. @あまね さん 追伸失礼します。

    ところで、話を変えますが。

    相手のコメントへの返信で、
    相手に 返信 したことを 通知する 方法が あります。
    「メンション」機能を用いれば、相手に 返信したことが、通知されます。

    メンションするには、返信したい相手のコメント欄の右下の角にある「メンション」という文字をクリックすると、メンション用の 返信コメント欄が 表示されて 出てきます。

    私の この返信が メンション機能を用いての返信です。

    で、「メンション」をクリックすると 返信用のコメント欄の左上に @(相手の)名前 が表示されます。

    その @名前の すぐ右に何か書く場合は、@名前の すぐ後に 『半角スペースを入れて』ください。全角スペースや、@名前のすぐ後に何かを書くと、メンション機能が 無効 になります。

    あと、メンション機能を 有効にする もう一つの 方法は、@名前の後に、改行してから @名前の下の行から 文章を書き始める方法もあります。

    それで、メンション機能が有効だと、@名前自体が、相手のプロフィール ページへの リンクになります。

    この @名前のリンクは、コメントを編集した場合、リンクが無効になりますが、編集後に、ブラウザの更新ボタンを押して更新すると、再び、リンクが有効になります。(ただ、この辺の、メンション機能の 有効 または、無効の仕組みは、私には不明です。でも、コメント編集したら、ブラウザを更新しておけば、メンション機能は確かだと、、、思いますが)

    以上、返信したことを 相手に 通知するための 「メンション」機能についてでした。拝礼

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