東京

東京の
街の
どこかで
僕は
君を
探す
なぜなら
東京の
街の
どこにも
君は
いないから
僕は
それを
知っているし
君が
東京の
街の
どこにも
いないならば
僕も
東京の
街の
どこにも
いないから
君は
どこにも
いないし
僕も
どこにも
いない

僕が
超能力者ならば
今すぐ
君の
元へ
飛んでいくけど
僕は
超能力者では
ないので
君が
飛んでくれば
いいんだ

東京の
街の
どこにも
君も
僕も
いないから
東京の
街の
どこかに
誰かが
息をひそめて
いるのだろう

[TONOMOTOSHO Rebirth Project No.095: Title by 弥生二郎]

投稿者

大阪府

コメント

  1. 東京は主を失った帝都、もぬけの殻よ。というのではなくて、恋のような、あこがれのようなでいいですね^^

  2. 東京というのは、ほんとうにふしぎな街だと思う。
    圧倒的な密度なのに、絶対的な空虚さがある。
    ブラックホールの事象の地平面みたいな街。

  3. 理想と現実
    伸びては縮んで
    こんがらがります

  4. 確かに東京はそれ以外の町と比べると不思議な町だと私も思います。東京に対する印象が自分の年齢によって大きく変わったからです。私にとって昔は東京は、東京という釈迦の掌の上でどこまで行っても果てしないイメージ。しかし今は冷めた目で東京を見ています。でもきっと東京が変わったのではなく、自分が変わったのだと思いますけれども。

  5. 東京はせまい。特に山手線の内側は。歩けばすぐに突き抜けてしまう。
    こんな狭きところにこんなにも密集できふんだからどこか空間的におかしいのかもしれない。

    そんな東京でも歴史を感じる裏道はやはり歩いて楽しい。

    僕は顔を近づけすぎて見ちまってたからこの詩の感覚はちゃんとわかってないかもしれない。でも離れても少し大きな町へ行けば、ここは東京のあそこじゃないかとなんか肩透かしをくう。

  6. お久しぶりです。縦長の窮屈な感じが「東京」を感じさせて、なんて粋な見せ方の表現なんだろうと感銘です。
    孤独とか、心細さとかが、足跡のように続いていく路地裏を想って、冷え冷えとします。
    だからこそ「君」というぬくもりとの対比が、見事に調和しています。

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