破壊される少女

君のおだやかな瞳で破壊する、破壊する
おだやかな昼の紅茶の、あまだれのように
スダジイの堅い葉でオゾンの層を破壊する、くちづけする
マリンバ奏者の河本さんから柩を拉致してもよいのかと問う
君の安全日に射精する、破壊する、くちづけする
イオの衛星の影に隠れて、モザイクの顔であなたの命じるままにあまつさえ
アマダ藻の沈む川底のすみきった愛の美しさに甘えてみても
飛騨の山並みの影の場所からホトトギスさえ鳴くと言う
お辞儀して、さらなる殺戮の返礼としてのあわい恋心です
その申し上げにくいことではあるのですが、建設する、室内装飾する、破壊する
窓から離れて、飛び散る硝子の破片から逃げて、あなたの愛からのがれて
すんでのところで顔じゅうに破片です
血だらけです、かわきつつあるこころの〈ぬらりひょん〉
華厳の滝に上昇するあの人の核心的そのものの必要性です
一部の人は一円にもなりません、一部の肉体はエロスにもなりません
そこから先には、宝塔です、しげしげと肉塔です
キャベジンの車に乗って、キャベツの姿態に乗って、キャツラのつらのかわ
放蕩です、すなかぶる、ほうとうです、すなです、すなです
君はかぶりをふる
黒髪はシンシナティへと報酬する
となりでは君の父親が死の宣告を宣下する
キャツラは、キャッツの、ギャラテイ、ギャラテイ
新国劇場の新しいだしもので、手をやいている
ギャラテイ、ギャラテイ、そのおしぼりはおおよその階段です
ツナ缶のつられて踊り出す、ラインダンスの、ライトがまぶしい
いづれのおんときにか、君の体で死なんとす
沙羅双樹の木の下で、乾いたかつらで、はげをかくして
君の手でひくくとびさる鳥に愛情の
破壊する、破壊する、誰もがそうして
破壊する。