始まり
十二月一日
いつまでも草が枯れずに青い
去年はどうだったか
想い出せない
十二月のあるべき姿が
思い出せない
(あるべき姿なんて本当にあるの)
(という問題はさておき)
兎も角
雪に覆われてしまう前に、やるべきことをやっておく
冬囲い、薪割、外水栓を落とし、物置の中を片付けて
散々身体を酷使した後は、冬ごもりだ
赤い実のついた野ばらの枝を一括りにして窓辺に飾る
この時期だけの特別な珈琲を飲み
羊毛を紡ぐ
編み棒を動かして靴下を編む
十二月にしては暖かい夜に
(たぶん暖かいはず)
(最近は記憶があいまいだ)
小さな白い蛾が、四、五匹、窓にとまって
何ごとかを相談している
雨のなか
ふきのとうが芽を覚ます
りんごの花が咲く
コメント
コメント失礼します。
この時期だけの特別な珈琲を飲み
とあり、とても気になりました(勝手に濃いめなイメージ)。
始まる。
始まることは、嬉しいことばかりではなく、厳しさや辛さもあって、備えていく営みがあって、冬支度をして、そういった少し急ぎ足のリズムも感じました。
画像のはミント?でしょうか。霜が降り、冬の始まりを一層想起させます。
@ぺけねこ さん
コメントありがとうございます。さて、珈琲については御想像にお任せする事として、画像の方はおっしゃる通りミント、アップルミントです。どこからかやってきて、勝手に育って、雑草の如くたくましく、その版図を広げています。古くから自生していた植物にとっては憎々しい相手なのかもしれませんが、こうやって霜が降りた姿は美しいですね。冬の始まりを感じ取って頂けてうれしいです。