月光読書

道標のない道を歩こう

 この月の明かりだけで歩こう

 切ない言葉は胸中にしまい

 微笑みながら誘われるままに

 

 道標のない道を歩こう

 柔らかな月の下を歩こう

 凍えてしまった身体を摩《さす》りながら

 ここはとても暗いけれど

 数々の星の光が

 心を揺さぶって

 幾らか希望をくれる

 安らかな明日を予想して往ける

 道標のない道を歩こう

 この月の明かりだけで歩こう

 たとえ視えなくても

 感じさえすればいい

 優しさに満ちたあの星の囁きが

 私たちを受け止めてくれる

 道標のない道を歩こう

 手の届かない場所からくる光の下で

 森は暗く恐ろしさのあまり進めないことがあるかもしれない

 二人で歩こう

 寄り添って歩こう

 手を繋いで歩こう

 時に立ち止まって野宿して

 その先には湖があるに違いない

 目隠ししていても

 その先には希望があるに違いない

 何も無くでも輝きを感じる

 それは君の魂の輝きさ

 

 道標のない道を歩こう

 瞬《まばた》きの瞬間

 訪れる幸せを感じよう

 僕らは生きているんだ

 あの月のように

投稿者

栃木県

コメント

  1. 道標のない道を歩く。それを読書という行為に当てはめてみると、温もりというのか、余韻が残ります。生きていく。読書の喜びですね。

  2. @長谷川 忍

    コメントありがとうございます。
    そうですね、伝わって嬉しく思います。

    読書は様々な世界へ誘ってくれる。
    私にとって武器とも言えます。

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