畑山焚火太郎の唄

少しずつ海は沈殿していった
あおぞらへ

あなたがくれた物は
狭い狭い庭になっていた

猿がいて
お前を檻に入れてあげよう

雨が青い空から雲を突き破り
その
予定調和を狙っている

少し与えられたえさを食べて
上を眺めた

寂しくて沈殿していく青空を
心に描きながら
雨を上昇させた

昨日はお酒も飲まなかったし
去った日々になにも思うところは
やっと
亡くしたよ

少しずつ海は沈殿していった
あおぞらへ

戦争が来て
借金のことは忘れたのかな
大切なものが消えて
中央線の遅延はいらなくなった

去った日々になにも思うところは
亡くした

寂しいことも
あるよ

投稿者

東京都

コメント

  1. 畑山焚火太郎は、実在する心象彫刻家です。英検は3級。

    狭い狭い庭になっていた、のは、海でも青空でもなく
    赤い実です
    それがこの詩の全てだと
    後に焚火太郎は語っていました

    いや、オレンジ色の実かな?え?茶色い木の実かな、いやいや、緑の若いあれかな?若い人からでるあれかな?
    若いあれの飛ぶやつかな?

  2. 去った日々になにも思うところは
    やっと
    亡くしたよ

    ここ すてき。
    さびしいですね。でも、このさびしさは、愛すべき さびしさです。

    全体的に、ふしぎな感じ。
    唄なんですね唄。

    あとここも好き。すてきです。

    少しずつ海は沈殿していった
    あおぞらへ

  3. @こしごえ
    こしごえさん
    ありがとうございます

    そうですよね、愛すべき寂しさですね。寂しいってことはまだまだ生きているし、何かできるかもしれないですね

    亡くしたものは、過去なんですけどそれも、亡くすことも良くも悪くもあり、亡くすと寂しいこともあるけど。やっぱり今を生きて寂しくてもその対象のこともあるわけでね

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