とある動画
叔父さんの葬式で
読経の前に
一人のヴァイオリニストが現れ
死者の好きだった音楽を奏で始めた
こういう葬式もあるのだと思った
僧侶の声も節回しよく
なめらかに唱えられた
死に顔も幸せそうだった
YouTubeを見ていたら
ロストロポーヴィチがチェロを奏で
小澤征爾が指揮していた
NHK交響楽団の面々も
懐かしい
フルートは小出信也
コンマスは田中千香士
チェロは徳永兼一郎
ドヴォルザークのチェロ協奏曲
第2楽章の静謐な調べ
第3楽章のチェロとソロヴァイオリンの
あの世への奏で
私が葬式で流して欲しい音楽だ
小出氏は二〇二二年二月二二日
田中氏は二〇〇九年一月一九日
徳永氏は一九九六年五月一七日
ロストロポーヴィチ氏は二〇〇七年四月二七日
そして小澤氏は二〇二四年二月六日
YouTubeのコメントに書かれていた
「この演奏をテレビで聴いたのは、阪神・淡路大震災の直後だった」
と
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