無人島
あなたが好きだった
あなたの好物はベジタブルで
わたしはベジタブルよりも
あなたが好きだった
同じ所に住んで
同じお役所で手続きをして
世界中で一番好き
なんておこがましいけれど
少なくとも
市内で一番好きだった
夜、二人きりで
ベジタブルを食べる
無人島に流れついたように
闇に溶けていく気がする
二人いるのだから無人島じゃないよ
そう微笑むあなたの姿が
世界中のどんなベジタブルよりも
愛しく思えた
それなのにある日あなたは
ベジタブルになってしまった
静かな冬の日だった
コメント
想いが強すぎたのだと思いました。強すぎる想いは、願っていない結果を引き出してしまう気もします。
最初からこの詩は 透明な言葉で書かれている印象がありますが、最終行の 静かな冬の日だった という詩行で、ああ なるほどぉ~、と思いました。
この詩から、心地好い さびしさを感じます。うん。^^
日曜日の朝飯のカルビーのベジたべる食べた後だったで
昨日あったとても辛いじかんもいっしょに食べていたのかな と
読んでいて思いました。
蟷螂という短歌(今、即興で詠む)を置いてきます。
蟷螂
肉食のメスの齧るは頭から愛する夫生きていく為
フィクションだとは思いますが、ホラーよりも怖いです。
完全変態を思い出しました。
ぞくぞくします。
@花巻まりか
花巻まりかさん、コメントありがとうございます。おっしゃるとおる、強すぎる思いは予想していない結果を招くことも多々ありますね。でも、思い、思いを抱く人 って、なんか惹かれます。
@こしごえ
こしごえさん、コメントありがとうございます。結局、無人島に一人残されてしまって。でもあなたは、一人いるから無人島じゃないよ、って微笑んでくれるのかな。
@足立らどみ
足立らどみさん、ベジたべる、ってまだあるんですね。最近はCMも見ないので、生産中止になっていると思いました。この詩を辿っていくと、あのCMに行き着くのかもしれません。即興短歌、お見事です。
@たかぼ
たかぼさん、コメントありがとうございます。ベジタブルになったあなた、をどうするつもりなんだろう。何をしてもホラーですね。
@たちばなまこと
たちばなまことさん、コメントありがとうございます。あの完全変態、って何なんだろう。あれが虫だからまた、アレだけど人間大で、そのさなぎがあって、その中身は、なんて考えると、もうアレです。