王様のはなし
あるところに王様がいて
誰もが幸せになるよう祈ってた
高いところで右手を振って
誰もが幸せになるよう祈ってた
この世はスープ皿の中
そこに浮かんだニンジンに
全てがあると思ってた
ここがこの世の全てだと
見なさい!
黄金の塔は永遠!
果てしなく天に!
この国に愛を振りまくのだ!
王様は剣に誓って言った
誰もが幸せになるべきだ
王は全ての人々に祈らせ
昼も夜も祈らせ
猫も赤子も祈らせ
そしてその国はなくなった
僕は少し泣きそうになりながら
その本を幾度も読んだんだ
王様は
真剣だったんだ
コメント
HNのわりに王様に優しい。
案外いいやつだったからね。
子供の頃、この本を読んでいたら、私も泣いたかもしれないかな、と想像してみました。今、読んだら、どうだろう…? ちょっと複雑な気持ちであります。二連目、いいですね! 上手いなあ。
大人になるとねぇちょっとやそっとじゃ泣けないねぇ。どっかへ忘れてきちゃったかねぇ。ニンジンも食べれるねぇ。
ありがとうございました!
王様は 真剣だった、けれども、その国はなくなった、ということ。無常を感じます。悲しいけれど、「僕」に「その本」は、幾度も読まれたということに、私はある種の救いを感じます。「僕」の優しさを感じるのかもしれません。
無常観か。ありがとうございます。
なかなか王様の思うようにはならないでしょう。いや望みがかなった世界なのかもしれません。
どちらにしても王様にシンパシーと哀悼を感じてしまいます。