王様のはなし

王様のはなし

あるところに王様がいて
誰もが幸せになるよう祈ってた
高いところで右手を振って
誰もが幸せになるよう祈ってた

この世はスープ皿の中
そこに浮かんだニンジンに
全てがあると思ってた
ここがこの世の全てだと

見なさい!
黄金の塔は永遠!
果てしなく天に!
この国に愛を振りまくのだ!

王様は剣に誓って言った
誰もが幸せになるべきだ
王は全ての人々に祈らせ
昼も夜も祈らせ
猫も赤子も祈らせ

そしてその国はなくなった

僕は少し泣きそうになりながら
その本を幾度も読んだんだ

王様は
真剣だったんだ

投稿者

岩手県

コメント

  1. HNのわりに王様に優しい。

  2. 案外いいやつだったからね。

  3. 子供の頃、この本を読んでいたら、私も泣いたかもしれないかな、と想像してみました。今、読んだら、どうだろう…? ちょっと複雑な気持ちであります。二連目、いいですね! 上手いなあ。

  4. 大人になるとねぇちょっとやそっとじゃ泣けないねぇ。どっかへ忘れてきちゃったかねぇ。ニンジンも食べれるねぇ。
    ありがとうございました!

  5. 王様は 真剣だった、けれども、その国はなくなった、ということ。無常を感じます。悲しいけれど、「僕」に「その本」は、幾度も読まれたということに、私はある種の救いを感じます。「僕」の優しさを感じるのかもしれません。

  6. 無常観か。ありがとうございます。
    なかなか王様の思うようにはならないでしょう。いや望みがかなった世界なのかもしれません。
    どちらにしても王様にシンパシーと哀悼を感じてしまいます。

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