水と微風の世界
だうぞ肉體を供物として下さい
過去への・現在への・未來への
女たちへ私が云へるのはそれだけ
だうぞ肉の一切れを
貴女がこゝにゐた証しとして下さい
それはゼウスの稲妻を受け止める
たをやめがたの智慧なのですから
何故かしら私の想ひは 斯く貌カタチを取る
神話はフィクションであつたのか
或ひはフィクションとしてしか
その力を發揮出來ぬ詩もあると
かひな休める
歩を休める
兵卒たちは云つてゐなかつたか
螢のか弱い光を更に昏くさせる
閃光-
肉を通して、男たちは知る
男の捧げ物など
金銀など
暗過ぎるのだ
女たちに私は云ふ、願ふ
だうぞ肉體を一つ この世への置き土産に
置いて行つて下さい
渇きがさう云はせるのか
血をひと啜り 私は靑い髪の
鬼となつたのでせうか
物語の硬度が零ゼロをもう一つ足すたびに
所詮は造り事の造り手だと云ふ氣負ひの為に
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