冬に落っこちる
君がロケットに乗り込んで行く。指に教えられた愛の方針で。火を噴くカステーラの味わいが、頑是ない子供のわたしをアヒルの子どものチャペルにする。ひずみばねで向き合わされて冬の氷のすべり込んで、スケート靴であなたに倒れ込む。それは新月の頃の新芽の香りに似ているので。君が潜水艇で感情の渦に巻き込まれて行く時には、あなたのオゾンホールでカモメたちが水晶の歌に紛れて行く。それらの辛抱はけだるくなしくずしに思えるのです。ホルヘンスの鞄の中身が角材の角で傷ついていく。はらからのカラーで巻かれたポールが春を祝して、わたしの庭に立つ。古くはガンジスの蓮の花に似ているあなた。そのひでりの頃にわたしが語りたい物語りの中程です。〈うすずみの〉みずに流れる日々です。その壊れかけた台形の印のように羽音です。あばら骨の美しい月の出なのです。
コメント
綺麗で少し悲しいイメージが通り抜けていくようでした。ひらがなの使い方が素敵だなあ。
アヒルの子どものチャペルにする
ガンジスの蓮の花に似ているあなた
あばら骨の美しい月の出
これら、これらかっこよくて好きです。
季節の巡りはまるで人の一生のようです。冬に落っこちるとはまさに… しみじみとしますね