Zero
冬木立の
あそこにも、ほら、ここにも
小枝や枯草で
器用に編まれた小鳥の巣
夏には気づかなかった
見つけられなかった
人通りのあるこんな場所で
卵を温め、子育てをしていたのかと
驚く
今はもう、空っぽの巣
雛は無事に巣立ったのだろうか
来年もまた使うのかなと
夫
もう使わないのよと
わたし
北風や雨雪でばらばらに砕け
地面に墜ちるだろう
最初から
無かったものだもの
もとの空っぽの空間に戻るだけ
空だから作れたの
木立の向こうは突き抜けた青
必要なら
誰かがまた新しく作ればいい
コメント
そうですねぇ。すこしちがうかもしれませんが、ゼロは、プラスにも マイナスにもなり得ますね。その物事が、この詩からよく伝わってくるように感じました。
夫さんとのちょっとした会話が あたたかくて すてきです。
雲がドラマチックだと
知る人の画です
ありがとうございます
拝読いたしまして短いコメントを失礼します。
琵琶湖畔の並木で、あまり鳥の巣を見つける事はありませんでしたが
ただ気付いて無かっただけなのかも知れません。^^
この写真と「Zero」というタイトルが、また素敵です!
自然の成り立ちをとても分かっていらっしゃるな、と思いました。
読後感がとても心地よかったです。「Zero」というタイトルにも納得です。
@こしごえ さん
コメントありがとうございます。現れたり消えたりする不思議、でしょうか。会話がすてきと言われると、ちょっと照れますね。
@那津na2 さん
コメントありがとうございます。こういう雲にはなかなか出会えないので、とても幸運でした。
@リリー さん
コメントありがとうございます。タイトルは本当は「0」にしたかったのですが、それだとなぜか投稿できなかったので「Zero」にしました。タイトルをつけるのがすごく苦手なので、いつも悩んでいます。素敵といわれてちょっとほっとしました。
@nonya さん
コメントありがとうございます。自分が詩を読む側の時には、読後感の重たいものは苦手なのですが、自分が書く側になると、気を付けていてもなぜか重たくなってしまうという・・・・そんな中では、この詩は割とうまくいっている方なのかもしれません。
今度、良い写真撮れたら
ぜひに、トップスライダーに応募ください!