野晒し
さかさま坂を越えたあたり
昔ながらの郵便ポストは赤く
反射する公営団地の一画に
毎夜姿を現す異形の影を見た
捩れた手足と首無し笑顔で
軽いステップ足鳴らす仕草は
美しさと対極の煩わしさで
ポントゥポンポトゥとポンと
絶望の世界に挑戦していく
粉雪が黒煙る空から舞い落ち
底冷えの爪先で弾けるのを
私の両眼が捉えたのを感じて
溶けてなくなっていくので
慌てて謎掛けたそのこころは
戦争は終わらないとのこと
さながら野晒しの頭蓋の様だ
さかさま坂を越えたあたり
昔ながらの郵便ポストは赤く
反射する公営団地の一画に
毎夜姿を現す異形の影を見た
捩れた手足と首無し笑顔で
軽いステップ足鳴らす仕草は
美しさと対極の煩わしさで
ポントゥポンポトゥとポンと
絶望の世界に挑戦していく
粉雪が黒煙る空から舞い落ち
底冷えの爪先で弾けるのを
私の両眼が捉えたのを感じて
溶けてなくなっていくので
慌てて謎掛けたそのこころは
戦争は終わらないとのこと
さながら野晒しの頭蓋の様だ
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コメント
ライトっぽく見せてるけんどheavyやん!寒寒とした野辺が見えるよー皮肉なもんで殺伐とし出したら創作意欲や閃きが産まれるもんよね
難しいことは言えませんが、なんかすごい好き!です。
音の表現(オノマトペ的な)もいけるんですね。
現実と異世界が解け合った詩行達だと思います。
毎夜姿を現す異形の影を見た
捩れた手足と首無し笑顔で
の頭部が、
戦争は終わらないとのこと
さながら野晒しの頭蓋の様だ
なのかな?と。
美しさと対極の煩わしさで
ポントゥポンポトゥとポンと
絶望の世界に挑戦していく
このオノマトペが、こう言っちゃ何だけど、かわいく聞こえます。
それで、美しさと対極の煩わしさで ポントゥポンポトゥとポンと 絶望の世界に挑戦していく、というのが 絶妙な詩的昇華だと思う。
最初の一行からして好きな感じで刺されまくりながらイッキ読みしました。これはすごい。
葬送法の一つとして野晒し、アリかもとか訳わからないことを想ったりしました。
戦争は、なくなりません。人と人の諍いがなくならないのと同じです。諍いのまったくない世界は、それで気持ち悪いですが。まさに、「さながら野晒しの頭蓋の様」かな。…異形の影。さかさまであって、でも、無常。
戦国時代などの合戦後には野晒しの頭蓋がそこかしこに転がっていたんだろうなと本来の人と人の決闘の生々しさを思います。やっぱり何かに反応しながら自分はさかさま坂をまっさかさまに転がり落ちて行くのぎ良いのかなー
神社に敷き詰められた白い石が無数のしゃれこうべに見えたことがあります。そのように溶けてゆく粉雪がのざらしのどくろに見えることもあるでしょう。溶けてなくなっても粉雪はまた降って来る。そのように、なくなったと思ってもまた戦争ははじまるのでしょう。