ある晴れた日

凍った朴木の河畔

白い蕾の腫脹

滔々と群生する産毛

師走の煌めいた放射線

わたしの中の微風

微かに震える鼓膜

陽だまりの夥しい花弁

白い揺めきの膨張

感覚器官との鮮烈な邂逅

花弁とうすべにいろの陽光

幾重もの虚弱な反射

あらゆる陰陽と調和

萌える葉緑素の恥じらい

薄茶色に透き通る瞳

隅々に浸透する身体

突き抜けた皮膚、乳房

泉のごとく湧き出す期待

否応なく照り付けた火照り

朴木の多彩な葉達

象牙色と黄土色の鶏達

啄む黒い実達

忙しなく舞い落ちる演舞

向こう側に佇むわたし

ある晴れた日の風景

美しく忘れ難い風景

流転、退廃、新生

わたしのなかの梢

投稿者

広島県

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