愚か者の証明

使い古しの
不織布の白いマスクが
水溜りの中で
薄らぺったく
沈んでいる

大雨を弾き返そうと
踏ん張る傘の音に負けず
草藪の中から
リーリーと鳴く
虫の声

思い出すのは
小学生の頃に土手で見つけた
事後のコンドームの
鮮烈としか言えない衝撃と
鮮烈とも言えない薄らピンクの
数億の命の存在の証明

投稿者

福岡県

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