小箱
信号機に話しかけた
けれどその装置は
何も答えてはくれなかった
人が作ったから
人に作られてしまったから
今日もすべてのものに
平等に
色を伝えている
家の者に食べ慣れた
安いケーキを買って帰る
生きていくことの
積み重ねの中で
どうでもいいものなんて
本当はなかった
それでも
どうでもいいものは
どうでもいいものとして
そっと小箱の中に
しまっておいてあげたかった
信号機に話しかけた
けれどその装置は
何も答えてはくれなかった
人が作ったから
人に作られてしまったから
今日もすべてのものに
平等に
色を伝えている
家の者に食べ慣れた
安いケーキを買って帰る
生きていくことの
積み重ねの中で
どうでもいいものなんて
本当はなかった
それでも
どうでもいいものは
どうでもいいものとして
そっと小箱の中に
しまっておいてあげたかった
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コメント
最終連に禿同です。
冒頭の一節からやられました
人が作ったもの、作られてしまったもの
信号機は何も云わず
赤青黄色を平等に教えてくれてる
たしかに!
人が作ったもので、学習機能を携えて
そのうち意思まで持ちそうなのがAIなのかなあ
なんて、ちょっと考えてしまいました
どうでもいいものなんてないって云えるのって
とても素敵でカッコイイです
どうでもいいことが、案外詩のネタになったりもしますしね
もしかしたら、日常なんてどうでもいいものだらけかもしれませんね。
でも、そんなどうでもいいものを拾い集めることが人生なのかもしれません。
@あぶくも
あぶくもさん、コメントありがとうございます。触れないでおいた方が良いものもありますよね、たぶん、、、
@雨音陽炎
雨音陽炎さん、コメントありがとうございます。装置の素敵なところは同じか使い方をすれば誰が使っても同じか結果をだしてくれるところですが、雨音陽炎さんのコメントにあったAIはどうなるのでしょう。意思、というものがあると、そういう訳にもいかなくなるのかもしれませんね。
@nonya
nonyaさん、コメントありがとうございます。最近よく、いつか死んじゃうのだから、ということが頭をよぎります。だから諦めるとか、そんなことはないし、やりたいことをやるのだ、とかそんなことでもない。すべてのことはどうでも良くなるし、ひとつのことに価値を見出すのであればすべてのものに価値はある、そんな感じで。