ある果て


あの人へ言った
言葉足らずの
言葉が
この胸でうずいて
この宙で明滅している
でもほんとうは
この言葉を
忘れているんだ
そうして
この感覚だけが
生きている

私は
後悔もしないで
言葉を
書き続けている。その言葉が
あの人の胸でうずいて
あの人の宙で明滅している

でもほんとうは
その言葉を
忘れ去っているあの人だ
と思う
思う限界の果てで
言葉は
舞い
そうして
言葉たちの
透明な羽がきらりきらりと
光を反射し

あの人と私の
言葉は
しずかに夢を見ている

投稿者

コメント

  1. 終わりの3行が胸にずっと鳴り続けています。
    確かな余韻です。

  2. コメント失礼します。

    「言葉」と「感覚」、は密接な関係なのだと、思い馳せます。
    現在進行形で、実感が湧いてきそうです。。

  3. 「思う限界の果てで」以降の最後までの言葉たちがとても美しくてたまらない。

  4. @たちばなまこと さん ありがとうございます♪
    おおっ、そうですかあ♪ そう言ってもらえて 嬉しいです♪☆^^
    最終行は、今のとちがう言葉だったのですが、少し悩んだりして、今の言葉に落ち着いたんです。なので、
    たちばなさんにそう言ってもらえて よかった♪

  5. @ぺけねこ さん ありがとうございます♪
    そうですねぇ、言葉が先になる場合と、感覚が先になる場合とがありますね。でも、どちらが先になるにしても、
    ぺけねこさんの言ってくれた通り、両方が、密接な関係ですね。言われてみて、ああ、そうかあ、と気付かされました。気付かせてくれて、ありがとうさま♪☆^^

  6. @あぶくも さん ありがとうございます♪
    あぶくもさん、ああ、あぶくもさんに そう言ってもらえて、ほっとしました。いえ、ほっとしてる場合じゃ無いのかもしれませんが、正直、ほっとしました。
    この詩は、今、起きていることを書いているので、今が重なっている構造になってるかな、と思うので。

    ああ、「思う限界の果てで」から最終行まで 美しいと言ってくれて、ありがたく貴重に思います♪☆^^

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