病院
病院
声にだす
隣から聴こえる
明日があるから
手を伸ばすと時間が増えて
先が見えない
さっきから同じことばかり頭に浮かんで
きこえない
みえない
わかりやすい言葉はいらない
番号札十番のかた
そろそろ出番ですよ
そろそろ私の出番だ
可哀そうったらありゃしない
無計画の出番だ
話しあいに使えるものなど何一つ持ち合わせておらず
番号ばかりが光った
寝ている最中
場合によっては言葉にならない日もある
ポケットのなかで
遊んだ今まで
今日から同じ
可哀そうだって言われた
アシェームって恥ずかしいって意味だから
私のなかではもどかしく
先に始まった病は飛行機のように胸をおどらせ
木魚を叩く音がする
せいぜい頑張りたまえ
言われるだけまだマシだ
いったいなにが、と言いたくなる
わかってない
はじまってないのだ
ピースとかいらないのだ
根を張る想像力は視界から消えて
場当たり的にキーボードを打つ
口がないから
とくに決まった時間に起きるわけでもない
根っからの問題児だ
鞄にアクセサリーが詰まってる
すこしだけ淡い
窓ガラスに映る自分が
美しいと思う
夢の扉
正義は枯れて
危険が増して
そんな当たり前が愛おしい
十二分に遊んだじゃないか
もう何も始まっていない
戻りたい明日は来なかった
空気がいつも澄んでいる
世紀末にはパソコンを買ってもらい
ポーカーフェイスが得意技
微妙に雨が降るのだ
天気はいつも晴れているのに
ばっちりしない
とばっちり
口が渇いて
昨日が泣く
新しい架け橋を
持ってきてくれる人はいませんか
いないのならもういいです
目立ったりするのは辛いから
反動がおかしな顔をしている
もうここにはいないのだ
いないのだと思う
マックスが初めてだなんていったい誰が予想したであろうか
戻りたいのはいつだって明日である
そのわがまま
敏感さ
せめて愛があれば違った
見たことないもの見るため愛を
いつも復唱してる
明らかな孤独
手を伸ばす
さっきからここにはいないのだ
虫と音楽
さわやかな横顔
大事だった人
馬鹿にしやがって
猫のように淡く馬が飛び出していく
蹄が武器に
変わりはじめて笑った
どうやらここは社会人のねじろみたいで
瞬く間にやられた私たちは
息をするたび危険になってく
真面目が不安で覆い隠され
病院内は
いつか血みどろ
マジックペンで書いたあの娘の名前を
知りたいのかもしれない
もう一度みえるように
コメント
迫ってくるような詩想を感じました。もどかしいようで、それでいて吹っ切れている感じが良かったです。