風の中のるん
るんは風の中 るんは風の中
思い出の空の彼方へと、飛び去っていったよ
それでその後、どうなった？
こんな空の果て こんな空の果て
穴の中へと、消え去っていったよ
それで、アキラはどうなった？
自分の思いの丈 自分の思いの丈
新しい彼女に思いの気が済むまで、ぶつけ続けたんだ
それで貴方はどうなった？
変な思い出だけ 変な思い出だけ
枕元へ持ち帰って、眠り続けたんだ
それで貴方のお兄さんは、どうなった？
盗んだ他人の金 盗んだ他人の金
愛する人のところへ、持ってったんだ
それで貴方のご両親はどうなった？
病んだことにされて 病んだことにされて
僕と兄を、病院にぶち込んだんだ
それでこの星は今、どうなってる？
歪んだ地球のせて 歪んだ地球のせて
今も、膨張したり伸縮したりしてるってさあ
それでさあ、風の中のるんはどうなった？
みんな夢覚めて、みんな夢覚めて
漫画のコマの下へと、帰ってきたよ
コメント
それでこの星は今、どうなってる？
ここで、詩の世界がぐっと広がったように思います。るんは、漫画の主役なのでしょうか。いろいろ、想像がふくらみました。
@長谷川 忍
ありがとうございます。
※マークをつけて、注釈説明を入れようか迷ったのですが
「るんは風の中」は、手塚治虫先生が70年代に描いた青春学園漫画の名作の一つです。
ポスターに描かれた「るん」と言う女性に恋をする男性のお話です。
この作品の中に描かれる人生は短く時間と共に人は成長し老いていくと言うようなメッセージや、作品世界に惹かれるものがあり、いつか自分の作品の中でオマージュをやってみたいと漫然と思っておりました。
漫然と書いていたのですが、星までスケールが広がった後、また手元に戻ってきた感じで、着地点としてはいいかなと思い、この形で完成にしました。
星の部分は環境問題なんかも含んでいるかも知れないし、自分で書いていて色々含ませているなあ、散りばめているなあと。いめえじ。