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ポケットから出した手を
温んだ風の中で
大きく振りながら
まるで音色みたいな
あなたの名前を呼んだ
読み飽きた季節の頁が
温んだ風の中で
めくれるように
まるで花弁みたいな
あなたが振り返ろうとした
あなたは巡る
俯きがちな暮らしの
いくつもの四つ辻に
あらゆる袋小路に
わたしは狼狽える
ときめきとむず痒さを誘う
華やいだ眼差しに
香り立つ微笑みに
そして今年も
わたしはあなたを見失うだろう
わたしは未だにあなたの
後ろ姿しか見たことがない
ポケットから出した手を
温んだ風の中で
大きく振りながら
まるで音色みたいな
あなたの名前を呼んだ
読み飽きた季節の頁が
温んだ風の中で
めくれるように
まるで花弁みたいな
あなたが振り返ろうとした
あなたは巡る
俯きがちな暮らしの
いくつもの四つ辻に
あらゆる袋小路に
わたしは狼狽える
ときめきとむず痒さを誘う
華やいだ眼差しに
香り立つ微笑みに
そして今年も
わたしはあなたを見失うだろう
わたしは未だにあなたの
後ろ姿しか見たことがない
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コメント
温んだからでしょうか。
恥ずかしいですけれど
はなのおくが
つんとしました
初春のような初々しい気持ちがむくむくしてきます。くすぐったさと戻れない痛みと懐かしいようなあったかさが同時に沁みてくるようでした。
@wc. さん
>コメントありがとうございます
寒暖差とか気圧とか花粉とか
この時期は何かと鼻の奥がつんとすることが多いですよね。
恥ずかしいことなんてありません。
春はみんなそんな感じです。
@ザイチ さん
>コメントありがとうございます
冬の間に眠っていた感覚が
春の気配に揺り起こされる時
なんだかむずむずとするのかな?と思い
書いてみました。
あたたかさが伝われば幸いです。
音色みたいな名前、素敵です。
辻という言葉ってかっこいいなと日頃から思っています。
日常会話に混ざられたらいいのに。