Rose Roseless NoRose
(追憶)
濃密な夜のアマンキラはチューベローズ
灯るプールサイドの月下香
エド・タートルのシンメトリーは
海まで続く空中回廊
それら全てを合わせた芳香
(移ろいゆくもの)
アルフレックスのニーナに包み込まれる
甘く光るモーイのヘラクレウム
リープヘルから取り出したシャトー・ディケム
深海のように蒼いロルカの詩
それら全てを合わせた色彩
(未在)
ガムランを満たした浴槽に身を沈めるとき
サブマリンの窓から砂漠が流れ込む
ベルタのロッカニーヴォを嗜みながら眺めるは
遥かコンクリート擁壁の上で踊るデ・マリア
それら全てを合わせた薔薇
コメント
聞き慣れないカタカナばかりで、その衒学性がなんともクール。理解できるかっこいい大人になりたい。
美しい歌のようでした。カタカナたちの響きが素敵だなあ。大人感というか、憧れます。
美しいですね。読んでいて時空を超えた現代美術館を巡っているような感覚になりました。
@トノモトショウ
ありがとうございます。トノモトさんは十分かっこいい大人だと思いますよ。
@あまね
カタカナの響きに注目していただいて、ありがとうございます。
@ザイチ
時間について意識して副題を挿入しましたし、またある現代美術に影響を受けましたのでそのあたりを感じていただき、ありがとうございます。
おしゃれに構成された詩ですね。^^
カタカナことばを一つ一つ検索すればいいのだろうけど。分かる人には分かるのでしょう。
@こしごえ
構成については悩みました。おしゃれと言っていただけてよかったです。ありがとうございます。
知らない銘柄のおしゃれでラグジュアリーなあれこれが出てきて、なんだか目眩きます。トランス状態に似ている感じです。
それらを全部合わせた薔薇って、それらは詩です。
@たちばなまこと
なるほど薔薇=詩、ですね。確かに。そう考えると、題は「詩、少し詩、詩ではないもの」となって、クールになりました。ありがとうございます。
偽悪的スノビズムを確信犯的かつクールにまとめ上げる構成力が素晴らしいですね。こう言うの好きなんですよねー。そして、意外にマメに言葉も調べてしまいます(^^)
アマンリゾートで洒落たインテリアに囲まれてお高いワインとか飲みたいです。
@あぶくも
あぶくもさんに裸にされているようで恥ずかしいですわ。偽悪的って、何だかチョイワルおやじみたいですね。LEONに出てきそうなチョイワルおやじが、バリのアマンリゾートで高級な酒を嗜みながら海を見ている、とか想像していただいたとしたら、何だかカッコいいので、ありがとうございます。
三つの、絵画を観るように、読んでみました。カッコの中の言葉が効いていますね。気品と妖艶さが絡まったような詩世界です。
@長谷川 忍
カッコの言葉にも注目していただいて、ありがとうございます。これもまあちょっと考えました。追憶、未在、と2文字に挟まれている真ん中にあえて2文字ではなく、移ろいゆくもの、としたのは、定型的になりすぎるのを嫌ったのと、こういう言葉の持って行き方がちょっと「内藤礼」ってぽくて良いなと思ったからです。まあ内藤礼とは特に関係のない詩なのですが。
なんとか読んでみて(みなさんのコメントも参考にしつつ)、やっぱりぼくは内なる距離、みたいなものを感じるような気がしました。
それは、時間とか想いでとか、所謂今って過去と未来がぶつかっている?みたいなイメージも浮かんできまして、みえている薔薇よりみえない薔薇の方が、より薔薇なの、だろうか、などとふかぷかと浮き沈んでゆくような心地です。。
@ぺけねこ
いやー深い! 後出しジャンケンみたいで恐縮ですが、私もぺけねこさんのようなことを少し考えて忍び込ませました。ありがとうございます。
こういうの書く上にヨケマケ辞典作っちゃうからなー
@三明十種
笑。「ヨケマキル人名辞典」ご宣伝ありがとうございます!http://takabo2001.web.fc2.com/makiru/makiru.index.html