風速計

春が着いた
質感でそのことを知った
白いシーツ
草のようなところで
息を吐いて吸う
自分の内も
入れ替わり始める
良く整備された風速計の
真似をしようとして
笑ってしまった
本当は風のことなど
何も知らないのだから
誰にも気づかれないように
太陽を少し盗んだ
春の温もりを
春の痛みを

投稿者

コメント

  1. なんとも言えない、感覚の質感(クオリアみたいなもの)で、物事を知ることがありますよね。この詩は、まさにそういう物事をうまく表してあると思います。
    たもつさんの詩自体が、感覚の質感の塊みたいなものだとも思います。
    この詩を読んで、切ないような、いとおしいような感覚になり、
    すてきな詩だと感じます♪☆^^

  2. うん。春の痛みよくわかります。
    詩情が風のように流れていきました。素敵です。

  3. 春が着いた、ってめちゃよいですね。
    迎えにゆきます。

  4. 風速計は敏感すぎると痛くて大変ですよね。
    春の訪れのすべてが書いてあるような気がしました。

  5. @こしごえ
    こしごえさん、コメントありがとうございます。季節の変わり目は切なくなるものですね。冬の寒さ、あんなに嫌だったのに。暖かくなっていく様子や花が咲く様子で春になるのだな、とは思いますが、実感するのは、なんとなく、の感覚かも知れませんね。

  6. @あまね
    あまねさん、コメントありがとうございます。素敵、ありがとうございます。すべてのものは流れてひとところには留まらない、そのような寂しさを感じる季節の変わり目です。

  7. @たちばなまこと
    たちばなまことさん、コメントありがとうございます。迎えに行きましょう。
    私たちが春を待つように、春も私たちを待っています。

  8. @nonya
    nonyaさん、コメントありがとうございます。風のこと、何も知らないまま、風はまた何処かに行ってしまうものですね。
    春のすべて、受けとめようと思います。

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