質感

はんこを押す時、ペッタンペッタンと言うその音、その感触に愛着を感じる。
ものとものが触れ合い、その接触の中で証拠となる印を押し、残す。
それは蚊が血を吸った時にかゆみを残すが如く、人と人が触れ合った時にDNAを残し刻むが如く、質感の中に生きる喜びと互いの情を伝えるが如く、かけがいのない命と存在の証明をこの世に残しながら消耗していく様を現しているようで、可愛くも儚く、とてもセクシーである。

女性ファッション雑誌の表紙をめくってみる。
カラフルなデザインに彩られた文字の装飾、写真もカラフルで今にも頁から匂いがしそうな色気と妖気。女性が色と質感の世界に生きていることをありありと教え伝えてくれる。
男性は視覚聴覚を駆使しながら、内面は論理によって物事を理解しようとする。
女性はそこに文字化できない立体的な膨らみと質感が入り混じりて、複雑模様にて物事を感じ、その世界は万華鏡のように妖しげで妖艶だ。

鼻くそを食べる男。幼児的な世界に生きるものほど、質感の世界から脱しきれない。小学生の時、糊を舐める女がいて、気持ち悪いと噂したら、あまり話さなくなってしまった記憶がある。その娘は私に好意があったようで、私と同じクラブ活動について来たのだけれど、私の方があまり積極的でなかったため、お互いに引いてしまった。

シルクのコットンで出来たタオル。ふわふわして気持ちが良い。

アイロンをかけている時のしっとりした手触りが落ち着く。好きだ。

掃除機の音は嫌い。ガチャガチャと乱雑で美しさがない。

せんべいのバリボリいう音。ドリルで穴を開けるような音。

蛾と蝶。ゴキブリとカブトムシでは何故こうも、違うのか?

カーテンのレースは、サラリと輝く女性の髪の毛のようだ。

質感の中に生きる記憶。質感の中に残る味。パソコンの画面上では認識出来ない。
この世には、複雑怪奇、魑魅魍魎かつ、妖艶にも似た質感の世界がある、

投稿者

静岡県

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