085

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今の風は何色だった?

耳のうしろで
あなたの声が聞こえた気がして
振り返ると
早咲きの桜が咲っていた

雲って風の言葉なんだっけ?

そんな気障を
言ったつもりはないと笑いながら
振り仰ぐと
空の青が滲んで見えた

春の風は
あらゆる色をあらゆる場所に置いて
逃げていく

まるであなたみたいだね

語りかけても
あなたは名前をつけようとするわたしを
振り払って
目の前の花弁を散らすばかり

風について
あなたについて
考えてしまうのはいつも

春だ

投稿者

東京都

コメント

  1. まさに詩にぴったりの写真ですね。「雲は風の言葉」などオシャレな名言が散りばめられています。

  2. 構図が素敵です。
    花は咲いかけてくれているし春風は逃げちゃう。可愛らしくて少し痛みもあるような色でした。

  3. nonyaさんの他の作品もそうですが、こちらも写真と詩が見事に呼応した画詩のお手本のような作品ですね。風の色、雲の声、春の物憂げな感じも表現されているように思います。

  4. 春を、あなたに喩えて、柔らかく、少し寂しく、表現していますね。春の風が、逃げていく。追いかける読者の私は、どの季節なのだろう。どの風なのだろう…。

  5. @たかぼ さん
    >コメントありがとうございます
    写真も詩も「やってしまった感」が強いですね(笑)
    写真も珍しく狙って撮ってみました。たまにはいいかな?なんて。。。

  6. @たちばなまこと さん
    >コメントありがとうございます
    「可愛らしさ」は私の人生を支えている一要素です。
    まあ、それで何度も痛い目に合っているわけですが(笑)

  7. @あぶくも さん
    >コメントありがとうございます
    お手本などと言っていただくと、なんだか申し訳ないです。
    最近。写真がないとまったく書けなくなってしまいました(苦笑)

  8. @長谷川 忍 さん
    >コメントありがとうございます
    春ちゃんは、お茶目な天使だけどけっこう残酷です。
    長谷川さんは、風のように逃げたりしないで
    どの季節にもしっかりと眼差しを向けられる方だと思っています。

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