ベロニカ

ほぞを噛むふりをしてベロをかむ
ベロニカのベロを噛む
昔なつかしいキューピーのほぞを噛む
くちおしや、しがらみにしらなみおとこ
からゆきさんのからかさおばけ
唐傘のほぞをかまんとす
かまいたちのとんずらするは、かまいだてするなよ
おおこうちでんじろう、おおこわいでんしんばしら
でんきうなぎのでんきで発電所をまわすとは
原発のつぎつぎと爆発す、とびだすえほん、おほん、ごほん、どぼん
ベロニカよ、つぎつぎと男をかえ
その金で贅沢するというのはつまり
ほぞほぞにせよと、わたしは言うよ
おまえのほぞにくちづけせんと百万円を積んでみる
そして噴水の水は高くわたしにおちかかり
その水に顔をぬらして喜んで言う
おまえの至らない欲望のどろどろと信号する
大地溝帯が人類をうみだしたのだとベロニカは言う
ぬらしたはしたない欲望ばかりが陽に照らしつつ
砂に埋めるベロニカの死体
砂に埋めればおまえは美しい
つぎつぎと参拝の人は来る
ここに眠れるは人類の美の象徴なり
美しきベロニカのほぞの一部なり
できれば皆さんこの砂にくちびるをよせて
甘き人生の一瞬のかがやきに
ベロをだせ。

投稿者

岡山県

コメント

  1. コメント失礼いたします。

    今回のお詩は、とても解りやすいのですね。
    そして、なんだか可愛らしいです。
    イタズラっ子が次々小さなイタズラをなさっているようで。
    最後の「ベロをだせ。」は、ナメろ=あっかんべーだと思いました。

    ありがとうございます。

  2. @たかづき しの
    さんへ、世の中、いろいろあるので、詩も、いろいろあるのだと思います、神のみこころのままに、書きたいものです。

  3. 詩、とは何なのか
    ベロ、だろうがニカ、だろうが、自然体(不自然体)でかたるがたる、、
    リズム、いや不リズム、定型、いや、不定型、
    結局は、発するものから放たれる、ハッスル、すなわち、「ベロニカ」
    精神、いや魂、いや、いやいやよ、
    はあびばびば
    詩の可能性
    詩の未来
    それら内包するや、否や、、、
    甘噛みでもなんでも、なにかのなんでもはにかんでもと、改めて、どっぷりつかりたい、と思えてしまいました、、、。

  4. @ぺけねこ
    さんへ、けだるくすぎさる日々もあれかし、されどまた、言葉の知る散る、またみぞれさみだれうるわし、時はいま、さつきはなさく春のちかづく。あめつぶは舌にてうける。詩にはあらんか。

  5. コトバの使い方、遊び方が巧みで
    思わず、上手い!と唸ってました

  6. @雨音陽炎
    さんへ、ありがとうです、岡山は白梅が満開となりました、ミモザももうすこしで、満開です、春には春の詩を、書きたいものです。

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