距離感 -2-

咲き始めた桜は
瞬く間に咲き誇り
風も穏やかな日に
二人で歩く桜並木

キミをあなたと呼んでも
あなたをキミと呼んでも
あなたはキミじゃない
キミはあなたじゃない
キミはキミだから
あなたはあなただ

キミはいつからあなたに
なったのだろう
あなたはいつまでキミで
いたのだろう

並んで歩く
桜の回廊は
果てなく続き
はらりと散った花びらを
あなたの髪からつまむ

少し冷たい
あなたの指先と

うす紅の
香りに包まれた
あなたと私

私たち

投稿者

愛知県

コメント

  1. キミからあなたへ、そして、私たち、絶妙な距離感が
    表されていますね。^^
    桜(桜並木)が すてきな ポイントになってます♪☆^^

  2. @こしごえ さん、コメントありがとうございます。
    需要があるかわかりませんが、-4-まで作ってあるので、来月また投稿するかもしれません。

  3. 何か、とても素敵なの読んだぞ。
    あまり小難しいことは言えないのだけれど、対比、なのかな。
    あなた、と、きみ。
    あなた(きみ)、と、私たち。二人称から、一人称への転換。
    一面の桜と私たち。対比でありながら、一体として、春に溶けていくような。

  4. @たけだたもつ さん、コメントありがとうございます。
    親しい人を呼ぶときの呼称が「あなた」と「きみ」とどちらが近い気がしますか、という問いかけに、好みの問題もあって、何となく「あなた」派の視点で書いてみたものです。
    「きみ」の方が近いよね、という視点で読むと、詩の中の二人の関係性はだんだん遠くなっていく…と読めることを後で知り、最後を「私たち」でしめることに。。。^^;

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