吉祥天女

南無観世音
御身
消え逝くなかりけれ。

わたしのなかに
溢れる
おと、おと、おと、の
こうずい
押し流し垂れ流し
失楽してゆく錯覚の違いは羅刹に似ていて、
鋭角に突き刺さる。
かたなだとか怒りだとか、
尖った刃は光輪で、
いつも真白く
容赦ない。

救いのいろは
何色ですか
此のミ
燃やせば
癒されますか

とい、とい、とい、の
応えなどなく
ただ闇が
明滅しては
こんじきに振るえ、
暖かさのナミ
溺れ
おぼろ
彼女が幽かに微笑んだのです。

其のまぼろしを
どれほど求め
拒んだのか

わたしは勾玉の
シに帰る眠りを遡り、
たったひとつの心言を
探し捜し
踊ってる。

珠玉の蓮は
脈動しながら
細胞と直結し、
核を刻み
消えることなき連綿の
めいみょうを

知る。

投稿者

埼玉県

コメント

  1. 詩の言葉が おどっている印象を受けました。^^

  2. @こしごえ
    さん。
    こんにちぱ

    コメントありがとうございます。

    「昴」という漫画に出てくる凄いダンサーが言いました。
    『ダンスで残ってる部分が内臓だけだとしたら、どうにかして内臓を踊らせるべきよね』。

    私も内臓まで踊っているような詩を書きたいです。

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