あと先

中途に咲いた傘の
閉じかねた笑みのように
私が貴方へ貴方が
わたしへ送り出す
怯えた呼吸がひとつ
凍えた瞳がふたつ
ぶつかったら無傷では居られない
心の膜(なか)

ほんとうの傷なんて
知らない二人なのに
障子の外へ耳をあて
不幸を盗みぎく

名は知らない
(知らないで)
知らないままで居よう
美しい水面に今夜君を横たわらせる

中途に閉じた傘の
濡れた唇のように
君が信じそうな事だけ
選んで微笑んだ

本音がいいならば傷つく
覚悟はあるのか?
君は知らない
知らないで居るから
幾ら懐こい
数千の笑顔の先にも
滴る露のように
涙が隠されている

投稿者

大阪府

コメント

  1. こんばんは。
    私は、傷つく覚悟を今朝、致しました。
    傷ついても傷ついても、本音が良いです。

    ありがとうございます。

  2. おはようございます。
    それは強い覚悟ですね。
    良いほうへ招かれる様願います。

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