蒲鉾

まるくなる
何もない診断書
横風が吹いて
わたしは縦を思った

たくさん浴びて
湖のほと、り
泳ぎそびれた
手漕ぎボートの
車掌の後姿が
群衆に
触れた

汗、それを
何度想像しただろう
必要と循環
蒲鉾のように
溶けてしまった
譫言のこと

初夏にほんの少し
目を瞑る時がある
瞼の内側に
微かな音がして
弔いはいつも
思い出せない
誰かのためにある

投稿者

コメント

  1. おはようございます。

    詩がどんどん進化していますね!
    モノクロ写真のようなイメージの中で、
    初夏の映像だけがカラー映像です。

    ありがとうございます。

  2. 最終連が特に好きです。

  3. 「横風が吹いて わたしは縦を思った」ってところ良いですね。2005年にたもつさんが出版された詩集「こっそりとショルダー・クロー」をときどき本棚から取り出しては、こっそりと読んでいますよ。「世界エレベーター」とかとても好きです。でも今でも一番好きなのは、私のサイトでも紹介させていただいた「醤油」です。あれは比較的短い詩の多いたもつさんにしては長い作品でしたね。

  4. @たかづき しの
    たかづきしのさん、コメントありがとうございます。進化、してるのかな。ライチュウくらいにはなったかも。たとえが古いか。

  5. @こしごえ
    こしごえさん、コメントありがとうございます。最終連は個人的な思い、かな。

  6. @たかぼ
    たかぼさん、コメントありがとうございます。「こっそりとショルダー・クロー」懐かしいです。偶然ですが、次回ぽえ会に醤油のオマージュのような詩を投稿しようと思っています。かなりいろいろなものが擦り減ってしまってますが。

  7. そうですね。
    詩が磨り減っている、疲れているとは思いました。
    ただ、どれほど疲れていても、
    書かなければならない時期と言うものが必ずあります。
    せめて、ご自身の回復である眠りだけは確保して欲しいな、と、思います。

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