春茜

遠い昔から届いた想い出を風に乗せて届けるよ
淡く色褪せる儚い夢と共に滲む痛みここにある
僕はつまらない大人になったけれど君の事は忘れない
時は残酷に無垢だった感情を洗い流してく

赤く染まる教室 5時の下校のチャイム 
頬を撫でるそよ風 空に滲む春茜
今もまだこの胸に‥‥

正しくありたい願えば願う程 迷い続け苦しいよ
叫ぶその声は雑踏の中にそっと知らず知らず溶けていく
君とつまらない喧嘩をしたことも僕はずっと忘れない
時は愛しく何気ない風景を無残に奪っていく

赤く染まる畦道 春を舞う花吹雪
腕を摩る左手 君はもう側にいない
だけどまだこの胸に‥‥

わがままを飲み込んだ君と別れた帰り道
あの頃は今よりもきっと素直になれたのに

赤く染まる教室 5時の下校のチャイム
頬を撫でるそよ風 空に滲む春茜
長く靡く黒髪 どこか懐かしい笑顔
頬を伝う愛しさ 2つ伸びて揺れる影
不器用な声が出た 「おかえり」と笑う僕

投稿者

コメント

  1. シャープで涼しい文章が、最終連で熱を帯び、
    軽く「おお!」と思いました。

    ありがとうございます。

  2. @たかづき しの
    初めまして
    ずっと前に書いた詩のタイトルだけ覚えていて内容は
    改めて書き直したやつです。
    コメントありがとうございます。

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