甘えん坊の僕が
家にいれば母ちゃんが
全てしてくれた
僕は甘えん坊だった。
毎日退屈な時間
自動的に食事をして
僕の傍に母ちゃんがいる
何かあれば母ちゃんがしてくれた
僕は甘えん坊だった。
人に言わせれば
僕は幸せらしい
人に言わせれば
僕は贅沢らしい
でも生きる実感がなかった
だから家から出たくて
考えた挙句
自分の人生だから
母ちゃんを泣かせ
母ちゃんに心配かけて
家を出たんだ。
足でタイプライターを打って
ビラを作って大学の
前でビラを配ったり
町でもビラを配って
毎日、毎日
人を探していた。
その人達は仕事・学校の
合間に僕の所に来て
面倒みてくれた
1週間に1回のお風呂
1週間に2回のまともな食事
毎日戦いだった。
その人達が来ない日は
お風呂も入れない
食事は手が使えないから
犬のような食べ方だった
それが僕の日常だった
毎日が戦いだった。
色んな人に声をかけ
一日を過ごしていた
目が覚めれば電話
時間がある人を見つける
それから始まる
毎日が戦いだった。
僕の人生は綱渡り
人がいなければ
トイレが出来ない
寝ることもできない
人の手がいる。
家を出たら自動的に
食事が出てこない
僕の傍に母ちゃんはいない
今もなお母ちゃんに
心配かけている。
こんな歳でも
母ちゃんを心で呼んでしまう
いつまでも
甘えん坊な僕なんだ。
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