短すぎる短編詩集
「今日」
今日という日は、明日になれば、昨日になる。
明日はそのうち今日になる。
明日はそのうち思い出になる。
思い出はしばらくすると忘れられて、ただの日になる。
「ティッシュの仕事」
鼻をかむこと
人の美しい涙に触れること。
「旅立ちの日」
春は旅立ちの日と言われる。
桜の花が散るから。
秋も旅立ちの日と呼ばれる。
真っ赤に染まった葉が散るから。
桜の木は、2回も旅立ちの日がある。
「お散歩」
太陽が山に隠れる頃に、鉛筆がお散歩に出かけた。
今日は、線の入った野原をもくもくと歩いていった。
たまに立ち止まって、辺りを見回した。
細い足跡が残っていた。
「傘」
1本の傘には、人が4人も入れるらしい。
「カメラ」
時を止めて、時を残す
ただ、変わらない時を残す
色褪せないフィルムが手元に
「このメモ」
いつ書いたんだろう。
何のためだろう。
その時の私はこのメモ。
コメント
一編一編に、それぞれの味わいがありますね♪☆^^
@こしごえ
コメントをありがとうございます。
味わっていただけたら嬉しいです。
「旅立ちの日」「カメラ」「このメモ」がいいですね。詩は、断片的な、掌編的な文学だと思います。読者が、その断片を自分なりに広げていくんですね。想像していく。