アンナ

運命って、最初に口にしたとき、どんな顔してただろう
誰かが隣にいた
その日は映画を観た（思い出のマーニー）
アンナが
マーニー、たった一人の私の友達！って言ったから
泣いてた
誰かが手を取ってくれた
映画館を後にすると
こんなに昼だったのってくらい昼で
焼けちゃうよ、と
おでこのところに大きい手を翳してくれた
大切にされているようで
嬉しかった
初めて見上げるみたいに見上げた
その顔は見えなかった
太陽の光に塗れて
先生だったのか、お父さんだったのか

運命は
絶望の後に続いていく道のこと
かみさまがサイコロを振って
0が出ても驚かない
運命って静かにくちびるを動かす時
諦めているというか
受け入れているんだけど
おかしくて少し笑ってしまう
自分のこと