Gastronome Galaxy
この宇宙は
ただの巨大な胃袋
ビッグバン?
あれは処女のしゃっくり
ブラックホール?
夜中に食った
激辛カシミールカレーの後遺症
宇宙ミルクは母乳パック
星々はチーズ
腐る前に食えと
神々はスプーンを研ぐ
安心しろ
煌めく愛も
干物の様な愛も
今日も微生物達の愛によって
ちりぬるをわか
消化不良おこした地球
屋根の上のハト
クック・ドゥーって
その肉眼で何を狙う?
クエスチョン・マークの歩道
パプリカみたいな車
短足のマンチカンが
絶滅危惧種の焼き鳥食べて
細い目で見上げた
三日月のムーン・サルト
オニオンリング臭の青臭い星雲
月はホイップしたメレンゲ
太陽はフライパンの目玉焼き
とっくに黄身は爆発寸前
土星の輪は回転寿司
冥王星は冷蔵庫の奥
氷に包まれた
記憶のピクルス
木星は断食中です
エスプレッソを煮詰めた
暗黒物質
神経をくすぐる
大麻のような重力波
月はリンゴで酸味を効かし
そっと皿に添えられたイブ
ビルの谷間でスープが冷める
時間という名のスロークッカー
嘘という調味料
誤魔化しというグレービーソース
神様 パンを与えてくれるなら
バターも一緒にお願いします
一口かじれば
世界は小さく爆ぜる
君の記憶もまた
ソテーされ
皿の隅に転がっている
それを見てゆっくりと
銀河テーブルの円卓
フォークとナイフを手にした
神々が静かに腰を降ろす
晩餐会開始
この全てを平らげるために
宇宙は白いナプキンを首に結び
満腹のために祈りを捧げる
アーメン・ボナペティ
愛は猿の胃酸で煮込まれ
理想はフライドポテトの下に沈む
テーブルクロスは戦場の地図
フォークは思想
ナイフは国境線
咀嚼されるデモクラシー
噛み砕かれる詩
メニューに載らない希望は
紙ナプキンの裏に
落書きされたまま革命中
ハムレットは今夜も
ケチャップまみれで独白
「To eat or not to eat…」
トランス脂肪酸でできた信仰
セルロイドで焼かれた真実
温め直された自由は
豚がベーコン食べてる様だ
ナプキンを広げる神々の前で
我々はジュレとしてサーブされる
神々は黙って笑い
赤ん坊の血を流し込んだ
シャトー1945年物で
喉を潤す
ごちそうさまには
まだ遠い
この宇宙のフルコース
次の皿はお前自身
Bon dessert
そしてまだ腹は減っている
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