白い部屋──終わりのセツナ
白い、白い部屋があって、そこにはオレンジ色のティー・テーブルとオレンジ色のチェアが片づけられていた。(「チェア」って、気どったもの言い! わたし、忘れてしまったの? 言ってはいけないこと……)まあ、いいわ。いつかも、わたしは「オレンジ色の」って、言った。七色に傾けられた絵本がそこには立てかけられていて、素敵な物の怪、ススワタリか、座敷童か、トイレのハナ子さんか……誰にしても、素敵な物の怪。それが、盗まれた檜製の机のかわりに腰かけていた。……軽くないよ、その物腰。あっという間に、レミシの不協和音が鳴り響いて、ただただ壊滅的な響音をこの部屋にエコーさせていたんだ。(「エコー」って、また気どったもの言い)……まあ、いいわ。今日はもうすぐ終わるんだから!
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