ある日見た夢

今は風が吹いているから
何も話さず夢野原に座り
髪撫ぜる過去と今、未来の交差点に
雪が降るり降るり降る頃は
人が人を何も何も見えずに
赤い彩りを加えていった
エメラルドの木々の中
黒真珠の実が黄金の地に落ち
もう時計仕掛けの日々はいらない

今はガラスの湖面に舟を浮かべ
胡坐で蓑を羽織り笠の下
手元の紙に書きつけたる言葉は
ゆらりゆらるゆらり天へ昇る
黄泉が黄泉とは知らずに行くの
イザナミの愛が私を包んでくれる
暖かい月の光が私を抱いてくれる
もう雲の中の様な日々はいらない

投稿者

奈良県

コメント

  1. 一連目の、さり気ない描写に惹かれます。

    イザナミの愛が私を包んでくれる
    暖かい月の光が私を抱いてくれる

    この二連目で、少し詩が動きましたね。やわらかな漣…。

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