陽光
カレンダーの途中
発車するわたしの
ポケットがあった
行き先が非表示の時刻表と
あり合わせの足音
打ち水をする初老の駅員は
いつも固く唇を結ぶ
口の中で飼育している金魚が
飛び出してしまわないように
今日も至る所に深呼吸は溢れ
季節の陽光が降り注いでいる
中学生のとき同じクラスに
陽光という名の生徒がいた
時々ふと思い出して
人にその話をすることがある
壊れた記録の断片はきっと
壊れたから美しい
そのひとつひとつを
出鱈目な順番でなぞる
あの時、わたしは
幸せだったか
コメント
全体的に、好きなんですけれども、次の
壊れた記録の断片はきっと
壊れたから美しい
というところが特に好きです。ここにぐっと来ます♪☆^^
@たかづき しの
たかづきしのさん、コメントありがとうございます。いつかすべて笑い話になるといいですよね。自分の受けとめはそうだけれど、爪痕を残されてたまらない気持ちの人もいて。
@こしごえ
こしごえさん、コメントありがとうございます。壊れたもの、滅びたもの、錆びたもの、不完全なもの。すべてが美しく見える時ってありますよね。