挿絵

わたしの指先に
壊れた飛行機が落ちていた
飛べるように修理をした
空を飛ぶなんて
ありふれた夢のようだけれど
空に来なければ見えない景色は
確かにあった
題名のない本があったので
表紙に着陸した
飛行機とわたしは挿絵になって
空の記憶をもったまま
胸の内の本棚に並んだ
二度と開かれることのない
他のものたちと同じように
一緒に並んだ

投稿者

コメント

  1. 「二度と開かれることのない」ものは
    私の本棚にもいくつかあるのですが
    すべて水の匂いがします。
    水難の相があると若い頃インチキ占い師に言われました。

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