一つ星
世界は
星なのだと
誰かが
私達に教える
手のひらの
黒曜石と
それが付けた傷からの
赤い血も
世界最大の哺乳類も
私の可愛い
グラブラ様と共にある
名前のない蛆も
信じ続けた夢も
耐え難い現実も
嘘も偽りも
真実も誠実も
みんな
この星が見ている夢で
美容院の帰りに
コンビニの背景が燃える
ああ
同じものを見て
同じものを知って
同じものに涙するんだね
私はそれが
奇跡ではないことに
ただ
嗚咽を堪えて居る
抱き締めてくれという
静かな犬
目が訴えているけれど
静かな犬
星が目を覚ます時
私達はみんな
何になるんだろう?
懐かしい友人のような思い出だろうか
自転車で走り出した
近所の本屋
未来を読むために
現実を超えるために
その先で待っている
最悪の結末を
ペダルを漕いで
追い越す
誰の為に?何の為に?
人だから?神だから?
仕事だから?家族だから?
幸せだから?不幸だから?
エプロンで渡るカロン
身長167センチのカリス
フォークのアポロンと
誠実なヘラ
この星が見た夢という夢を
人が見続けていること
懐かしい友人のように
いつかまた夢を裏切ることに震える
小さな手のひらの傷は
癒えるだろう
黒曜石は
元の河原に返した
それが質量保存の法則だって
なんか
先生が言ってたから
まだ信じてる
手のひらの痛みだけが
まだ
重さを知らずに
星を出て行くんだ
眠れない子供の額を
撫でるように星が照らす
そこにある
自分の名残を愛おしんでさ
それはもしかしたら
生まれることの痛みなのかも
言葉にならない溜め息をついて
孤独を抱き締める
星もきっと
泣きたい日があったり
笑っている夜がある
星もきっと生きている
同じものにはなれないんだって
いつか
私達が気が付かないように
息を潜めて
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