小さな太陽

ぽたり、汗は落ち、土に浸みた
しゃがんで草をむしる
炎天下の庭で

ペットボトルの水は
すでに
ぬるま湯 

あとひと息
草の束を
根こそぎ、引き抜いた

土の中がピカッと光った
半面の顔を覗かせ 
(硝子に映る遠い太陽)

目線の先のアスファルトは陽炎(かげろう)
頭のくらつくなかで
ぼくは知る

果てなく脈打つ、鼓動は
ビー玉に宿るあの光と
つながっている 

投稿者

東京都

コメント

  1. 4連目の描写、凄く好きです。

  2. 夏場ちょっと庭の手入れをサボると、あっという間に一面雑草に覆われてしまいますが、炎天下の草むしりほど億劫なことはありませんね。しかし、そんな中でも掘り当てたビー玉に映る小さな太陽を発見して、そこに命を感じてしまう服部さんの詩心には感心させられます。

  3. たちまこさん

    ありがとうございます。 描写の探求、したいです。 (^^)

  4. トノモトさん

    日頃ぐうたらな僕も「どうせ労働するなら」と、詩を探してしまいます。

    詩は、日常のそこらあたりに漂っていたりしますね。

  5. 土の中にビー玉をみつけるとちょっとした神聖なものをみつけた気になりそうだなとこの詩を読んで頭に浮かべて思いました。それはやっぱり太陽や宝石、ガラス玉だとしても。

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