ネズミ男5 北極でシロクマに念仏
ネズミ男は
極寒のツンドラを歩き
サンダルの足が
バキバキに凍っても
無常はつま先から来るのだ
とブツブツ言ってた
吹雪の向こうに現れた
巨大な白い塊が
シロクマだと知る事に
2秒とかからなかったが
3秒目には目を閉じて
合掌していた
なんまんだぶ、なんまんだぶ
シロクマは首をかしげ
それ肉か?と一言
ネズミ男は尻で
Noです!を表現した
氷上に座り 文字通り
一文字ずつ凍らせながら
ぶるぶる失禁するも
念仏を唱えるネズミ男
それを見たシロクマが
静かに隣に座り
おれも最近
アザラシの夢を見るんだわ
と語り始めた
ネズミ男は苦し紛れに
罪とはシロクマに
白熊アイスを与える事と
我白吐息白吐息と妄言し
ファーと唱え
それを見たシロクマは黙って
雪を一口食べた
バニラじゃないんかムー
遠くでオーロラが
ネオン看板みたいにチカり
ネズミ男は今だ!と意を決し
こう言い残して去っていった
極楽は寒くはない
それは寒さに文句を言わない
場所のことだ
南極に行けば永久冷土だ
アガルタを通り向かえオロ
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