僕が音楽をやるといったら
初めから突き動かされた訳じゃない
のめり込んだ訳じゃない
だけどただやってみたかった
秋の風を顔に受けながら
触れたかった
君の髪とギターの弦
君は多分、いいんじゃないと笑う
何でもやってみれば良い
そう言って落ち葉の中で舞う
僕の歌に合わせて
いい歳して自分の事何1つ決められない
そんな自分が嫌だった
だからただ奏でたかった
自分にしか出せないメロディーを
僕が迎えた夜明けを
かき消そうとする夜の闇
母は多分、いいんじゃないと笑う
やってみれば諦めるだろう
そう言って僕を1つ前のマスに進める
僕の歌に鼻を鳴らして
僕が音楽をやると言ったら
君は他人だから笑う
僕が音楽をやると言ったら
家族は鼻で笑う
僕が音楽をやると言ったら
落ち葉でさえ
カラカラと音立て
冷えはじめの空
笑い声
ああ僕が音楽をやると言ったら
ああこの世が嫌いだと言ったら
あああの子が好きだと言ったら
みんな笑う
笑う笑う
笑う
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