帰路

空が唸って
耳の後ろを通り過ぎてく
拾っておくれよ
焦燥感だけ　先に家に送っておいて

良いも悪いも
時代が全部食べ尽くした
夢も希望も
時代が全部食べ尽くした
安心できる
時間は全部ドブに落ちた
君と過ごす
時間だけが盲目をくれた

吐き出すほどに小さくなる
あなたを　温める手は頼りなく
帰りたくないと見上げた空が
唸る　誰かが帰る為に

一歩先に待ち構えている
温もりの消える日々への予告
診断書に言葉が詰まる前に
まずは笑顔で抱きしめられたら